企画編87「飽きない物語は、何度も完結している」 第149回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第149回 企画編87「飽きない物語は、何度も完結している」
執筆者:企画担当 ケイ茶


ブログ用

他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
飽きない物語は<起承転結>の繰り返しになっている。
そのように思うようになってきました。

最高に盛り上がって「もう、これで終わりだ」と思わせて・・・終わらない!

物語が完結するまでに何度も「もう、この物語はここで終わりなのかもしれない」と思わせる展開があり、問題を解決してもまだ終わらない。
その解決した問題は、大きな問題のほんの一部でしかなく、次の問題がやってくる。

このように、飽きない物語は「上手くいくと思わせて、上手くいかない」を何度も繰り返すという手法を使っている事が多いと思います。
例えば、ほんの2時間の映画であってもこれが上手くできている場合は、盛り上がりの場所、主人公たちに襲いかかる問題が5~6回あったりするのです。
約20分に1回。

何らかの問題が発生して、主人公の行動を邪魔してきます。
それに主人公が対応して、その問題を解決⇒しかし、また新たな問題が出現もしくは、解決したのはほんの一部でしかなかった。
という事になり、視聴者を最後まで飽きさせない工夫がされているのです。

ノベルゲームの場合も20分に1回とまでは言いません(映像媒体とは違う部分も多いので)
ですが、例えば章ごとであるとか、一つのまとまりごとに主人公に何らかの問題が襲いかかり、それを解決する。
これが何度も繰り返されるべきなのかもしれません!

そのたびに、プレイヤーは「主人公が問題を解決する事ができるのか」ハラハラ、ドキドキします!
そして、達成したら達成感を味わうことになります。
でも、その後すぐに別の問題が発生して、またハラハラドキドキ⇒達成感。

これの繰り返しが上手い物語は飽きません。
というより、飽きさせる暇がないのです。

プレイヤーからしたら、この物語「何度もここで終わりかと思った」⇒「でも、終わらない」
と思うでしょう。

そう思ってもらえたら、その物語は何度も<起承転結>を繰り返しており<問題発生⇒解決>を何度も繰り返しが出来ている。
という事なのです。

これが、一つの物語に一つの問題しかない場合はどうでしょうか?
例えば、2時間の映画に問題が一つだけ。

もちろん、起承転結はしっかりしていると仮定します。
ただし!この場合は、形の上では綺麗な物語と言えるかもしれませんが2時間中1時間30分くらいは<承>に費やすことになるのが普通だと思います。
そうすると、よほど上手く描かない限りは<承>の部分で一旦視聴者は慣れます⇒最悪、飽きます。

プレイ時間が長いノベルゲームで問題が一つしかない⇒飽きられる危険性大

映画ならまだマシですが、これをノベルゲームでやってしまうと大変です。
プレイ時間40時間に対して30時間が承だとしたら、水増しされた30時間の承をプレイヤーは体感する事になり、飽きてしまう可能性が高いと思われます。

大きな<起承転結>で見たら確かに<承>に30時間というのは問題ありません。
しかし<承>の中にも小さな問題が沢山発生してそれぞれに小さな<起承転結>が出来ていれば、飽きさせることになりません。

まずは、一つの大きな<起承転結>は絶対に必要。
その中で、特にダレやすい、飽きやすい<承>の部分をいかに上手く作るのか。
小さな問題を幾つも作り、解決させるのか。

ここが、プロットを作る上で、そして実際にシナリオを書いていく上での腕の見せ所なのではないか?
と私は思っています。

 

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