物語のつくりかた編3「絶対に<起承転結>のパターンにする必要はありません!」 第137回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第137回 物語のつくりかた編3「絶対に<起承転結>のパターンにする必要はありません!」
執筆者:企画担当 ケイ茶


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他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
前回までは物語の基本は「起承転結」です、という話をしてきました。
今回は、起承転結もあるけれど、ちょっと違ったパターンもありますし、それを使った物語も多いです!
という事について幾つか書いてみようと思います!

基本は「起承転結」でも、少し変えてみるのもアリです!

一つの物語としては「起承転結」
でも、細かく区切るとそうでもないのです。

(1)「起承転結転結」など、別パターン

桃太郎<主題:桃太郎が村人を苦しめる鬼を倒す>

<起>始まり
村人を苦しめる鬼を退治するために、桃太郎が旅に出発する。

<承>転までの伏線、過程
鬼が島へ向かう桃太郎、鬼を倒す仲間を得る。

<転>転換
鬼が島へ到着し、鬼と戦う。

<結>転の結果、どうなった?
鬼を退治して、村に平和が戻った。

 

上記が、通常パターンですが、この途中で「桃太郎が、村人を裏切って、鬼の仲間になる」という展開が入っていた場合はどうなるでしょうか?

<起>始まり
村人を苦しめる鬼を退治するために、桃太郎が旅に出発する。

<承>転までの伏線、過程
鬼が島へ向かう桃太郎、鬼を倒す仲間を得る。

<転>
鬼が島へ辿り着いた桃太郎は、仲間を説得し鬼の仲間になる事にする。

<結>
鬼の仲間になった桃太郎は、下っ端として鬼のもとで働く。

<転>転換
鬼が島へ到着し、鬼と戦う。

<結>転の結果、どうなった?
鬼を退治して、村に平和が戻った。

途中で、新たな転と結を入れてみました。
しかし、この桃太郎の行動は実は「鬼の下っ端になる事で、鬼の弱点を知る」が目的だったのです!
そして、大きな目的としては鬼を倒す。になりますので、大きな意味では
元々の起承転結の通りなのですが、更に小さく区切った場合に、<承>の部分に小さな転と結が入っているのです。

ちょっと、まとめてみますね

<起>始まり
村人を苦しめる鬼を退治するために、桃太郎が旅に出発する。

<承>転までの伏線、過程=============
鬼が島へ向かう桃太郎、鬼を倒す仲間を得る。

<転>
鬼が島へ辿り着いた桃太郎は、仲間を説得し鬼の仲間になる事にする。

<結>
鬼の仲間になった桃太郎は、下っ端として鬼のもとで働く。

==========================
↑大きな流れの中では、ここも承に入ると考える。

<転>転換
鬼の仲間になる事で、鬼の弱点を知った桃太郎は鬼と戦う。

<結>転の結果、どうなった?
鬼を退治して、村に平和が戻った。

このように、大きな起承転結の中に小さな何かを入れ込んでしまう形式もあります。
まあ、意識しなくても「どんでん返し」を採用すると、上記のような形になるのかな?という気もしますが。

あとは、長編の物語の場合は
以下のようになっている事が多いと思います。

<起>
はじまり

<承>
小さな「起承転結」(細かなエピソード)1
小さな「起承転結」(細かなエピソード)2
小さな「起承転結」(細かなエピソード)3
・・・。以下繰り返し。

<転>
大きな転

<結>
結果

このように、大きな意味では起承転結なのですが、特に承の部分で、更に細かい起承転結が沢山入っているパターン。
漫画とかで言うと「~編」とかでしょうか。
物語全般の主題としては、主人公が世界を救う。
なのですが、救うまでの過程として様々な小さなエピソードがありますよ!

その一つ一つのエピソードにも起承転結が入っていますよ。
という事なのです。

あとは、起承転結の中に、別の起承転結を入れるという複雑なパターンもありますよ。(パターンA)

<起>

<承>
<次のエピソードのための起>

<転>

<結>

⇒<次のエピソードの承>にそのまま続く。

もしくは(パターンB)

<起>

<承>

<転>

<結>
一つのエピソードの結が<次のエピソードのための起>

⇒<次のエピソードの承>にそのまま続く。

というようなパターンも考えられます。
このように仕組むと、Aという一つのエピソードに、次のBの起承転結の一部が入っている感じです。(パターンA)
また、Aの結果がそのまま、Bのはじまりになっている。(パターンB)
という事もあります(このパターンは結構多いと思います)

例えば「家出した父親を見つける」が一つのエピソードの結果だとして「その父親から衝撃の事実を話される」⇒がそのまま次のエピソードへと繋がっていく。
というような感じですね。

ちょっと形にするとわかりにくいかもしれませんが、無駄な展開が無くスムーズに進展する物語は、上記のような構成になっている事があります。
大きな起承転結の中で、小さな起承転結が上手く作用しているんだと思われます。
ここまで考えるとなかなか難しいですが、考えてみる価値は十分にあると思います。

 

(2)「序破急」という別の考え方

「起承転結」とは違う考え方で「序破急」というものもあります。
こちらは「能」の基本理念のようですね。
こちらは私はつかわないので、詳しくはないのですが、概要は以下の通りです。

<序>
ここで読者を引き込む⇒静かな展開ここで、問題提起。

<破>
ここで物語を盛り上げる⇒静かな展開から、動きの展開へ。(盛り上がり)

<急>
読者に感動(心の揺さぶり)を与える(物語のクライマックスから終了)

起承転結が4分割に対して、こちらは3分割となっています。
どちらにしても序盤に問題を提示し、途中で盛り上がり、最後は結果がどうなった?
という基本の考え方は同じと言えます。

序破急に関しては、私は使っていない関係で、詳しくは書けません。
なので、気になった方は調べてみて、起承転結と比べてみると良いかもしれません。

私は起承転結が使いやすいので、今後も基本的にはそちらで考えていくと思います。

 

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