「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」が出来るまで(4)プロットからの変更点

日曜日に書く事があっても無くても「とりあえず定期更新」するコーナー。 企画担当のどうでもいい事だったり、時として新作タイトルの事についてだったり、更新して、生存報告する事が第一目的です。

ケイ茶です。
「いきましょう」の誕生をふりかえる企画第4回目です。
<今までの記事は↓>

そして、今回の記事はRにバトンタッチです


こんにちは。Rです。  

※今回の記事は「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」のネタバレを完全に含んでおります!  
クリア後に見ることを推奨致します。

前回の記事では、ケイ茶がある程度まとめたプロットを公開しました。

今回の記事は、そこから、実際に本編を書いた際の変更点について載せていきます。

前回ケイ茶が載せたプロットを見て、私はまず、自分がわかりやすいようにまとめました。
それが↓です。


Rプロット

・鏡夜は体が動かなくなっていた
 →アサギリに移動を頼む

・移動を頼むが、知らない場所だった
 →知っている場所、人を探す

・知人を探すが、すでに長い年月が経っている事を知る
 →生き残った人類を探す

・生き残った人類を探すが、もう皆いないうえに自分も人間ではないと知る
 →アサギリと生きていこうときめる。使命をやめようと言う

・使命をやめたかったが、できないと知る
 →アサギリが狂う

・狂ったアサギリを助けたかったが、置いていかれてしまう
 →動けるようになり、アサギリと再会する。使命を続ける。

・使命を終えたと思ったが、まだ終わっていないと知る
 →決断する

これは、主人公である鏡夜を主軸として
出てくる問題→その問題への対処法→新たに出てきた問題→対処法
だけを考えて書いていったものです。

たとえば2個目の
・移動を頼むが、知らない場所だった
 →知っている場所、人を探す
の間には、死に続けるアサギリを目撃し、使命について知るという過程もあります。
しかし、その時点において、それは鏡夜の問題とは関係ありません。
あくまでも最初の鏡夜は自分が大事であり、アサギリに同情はしても、助けるために行動しようとはしないので、除外しています。

このようにして、まずは主人公「鏡夜」の視点に立って行動を羅列する事で、シナリオを書きやすくしました。そうしてまとめたところで、いろいろな構成などを考え、変更をしていきました。

◆変更点その1

——-ケイ茶のプロットより抜粋(本編第2章の部分)————
少年は、少女の話を聞き、人類の罪の清算をしている事を知る。
そして、少女の覚悟を聞き、追体験をやめさせる事をやめる。
その代わり、自身も少女と同じように追体験をしたいと申し出て、自分が起きている間だけでも
共有する覚悟を決める。

少年は自身から出ている神経コードを少女の頭に接続し、今後は少女と追体験の内容を共有する事になる。
(かなりの痛みを経験するため最初のうちはダメージが大きい)
——————————————————————
ここで引っかかった点は2つです。

■問題1.少女(アサギリ)は、死の体験を共有する事を止めないのか?

アサギリは「たった1人で使命を背負っている少女」です。
その使命に対する思いは並々ならぬものがあり、何よりも使命を優先します。自らがそれを行う事に、誇りをもっている面もあります。
なので、こうもアッサリと他人にも使命を押し付けるだろうか、という部分が気になりました。

しかし、この物語において『鏡夜がアサギリと苦悩を共有する』というのは必須でした。
相手の苦しみを多少なりとも体験しているからこそ、「使命をやめよう」という言葉が言えるのだと思いました。
なので、どうしても鏡夜には感覚を共有してほしかった。

■結果

『アサギリに知られる事なく、こっそり共有する』という形になりました。
また、神経コードを繋いでおきながらこっそり共有なんてできないので、
『アサギリに触れたままだと死を体験する』というものに設定が変更されました。
(そもそも、絵面として神経コードが刺さる姿がいまいち想像できなかった、という事もあります)

■問題その2.少年(鏡夜)は、自分も一緒に苦しむという選択をするだろうか?

ケイ茶のプロットで見る限り、この時の鏡夜はアサギリと出会ってまだ間もない時期です。
そんな時に、いくら彼女の境遇に同情したからとはいえ、死を体験しようと思うでしょうか。
話を聞いたから「じゃあ共有しよう」ではなく、もっと、そう思うだけのキッカケが必要だと感じました。

■結果

共有する時期そのものを遅らせて、第二章からという事にしました。
さらに『アサギリの死を見すぎて感覚が麻痺した自分に、恐怖する鏡夜』という流れを考えました。
こうする事で、『アサギリが可哀想だから』だけではなく、『自分が人間から離れていく事への恐怖』を追加し、より人間らしいキャラクターになってくれるのではと期待したのです。

◆変更点その2

——-ケイ茶のプロットより抜粋(本編第2章の部分)————

地下シェルターに行く。
何世代か、人間が暮らしていた形跡が残っている。(最終的に食料がなくなり死亡)
きれいに残っていた鏡で自分の姿を見て驚く少年(脳だけ)
——————————————————————
この流れ自体には、変更その1ほどの疑問点は浮かびませんでした。
しかし、何かが足りないと感じたので、その理由を考えてみる事にしました。

■足りないもの1 鏡を見つける必然性

このケイ茶のプロット上では、旅を続ける中でフラッと立ち寄った場所に鏡があった、という事になります。
しかし、これまでの旅では一度も綺麗な鏡というものを見つけられなかった事を考えると、急にそれが見つかるというのは都合が良すぎると思いました。

■足りないもの2 期待感

これは上記にもつながるのですが、唐突に鏡を見て自分の姿を知るのでは、面白みに欠けるのではないかと感じました。
びっくり箱を開けたような驚きを感じてもらえる可能性はありますが、それよりも、じわじわと期待させたうえで鏡のシーンに持っていきたいと思ったのです。

■2つを足した結果

『彼らという謎の存在を知り、その居住区へ進む』という流れが出来上がりました。
この流れの中で

・鏡夜と同じような存在がいる
 →そこにいけば体が動くかもしれない。情報があるかもしれない。(期待感を描く)

・そこで実験体と出会う
 →実験体は鏡を大事にしていた。(鏡のある必然性を描く)

と決めました。
このようにして、新たなキャラクター『実験体』の登場が決まりました。
(それまで、鏡夜以外の実験体はすべて死んでいるという設定でした)

ただ、ここで新たな問題が発生しました。
それは、会話です。

もともと、この物語は『アサギリと鏡夜の2人だけの旅』を描こうと思っていました。
ですから、他の人間は登場させたくなかったのです。
なので、悩んだ結果、『実験体と鏡夜は言語が違い、まともな会話できない』という事で妥協しました。
そうすれば数千年経っている事への説得力もありますし、
言葉が通じない何かが襲ってくるという不気味さも出す事ができて良いのでは、と考えました。

※実は、このあたりの変更はケイ茶には事前に朧気な情報だけで変更の許可をもらい、
あとは私が勝手に行いました。
そうしてあまり知らない状態でシナリオを見てもらった結果、「実験体が普通に喋っていたらボツにしていた」という反応だったので、そのあたりの認識はお互い共通していたようです。

◆変更点その3

——-ケイ茶のプロットより抜粋(本編第3章の部分)————
少年と話をするうちに、変化していく少女。
今までは使命として繰り返して死ぬだけだったが、少女はなぜ自分が苦しい思いをしなければいけないのかと疑問を持っていき、死ぬ事が嫌になっていく。
そして、死の追体験から逃げようと思うようになる。

ある時、追体験のあと、少女は狂ってしまう。
その結果、記憶を失ってしまい、少年を置いてけぼりにして一人でどこかに行ってしまう。
——————————————————————————————
これも変更点2と同様に、流れそのものに疑問点はありませんでしたが、何か足りないと感じました。

■足りないもの1 疑問を抱くキッカケ

>今までは使命として繰り返して死ぬだけだったが、少女はなぜ自分が苦しい思いをしなければいけないのかと疑問を持っていき……
この部分で、なぜアサギリが疑問をもったのか。
たしかに、ここまでの流れで少しずつアサギリは変化していっています。
しかし、改めて「疑問」を持つだけのキッカケが欲しいと思いました。

■結果

『休暇を楽しんだ結果、死に続けなければならない事を知るアサギリ』という流れと、それに伴う『死に続けなければ体が勝手に衰える』という設定が追加されました。
(ケイ茶が考えた当初のプロットでは、アサギリの体は半永久的に生き続ける事ができ、使命を放棄するという選択肢も残されていました)
この設定の追加はケイ茶から「えげつない」と言われつつも、許容されました。

■足りないものその2 狂うキッカケ

上記の事が追加されたため、少しずつ気持ちが沈んでいくアサギリの過程は描く事ができました。
しかし、そこからさらに、感情を爆発させるような何か。
改めて、アサギリにとって衝撃的な出来事が起こった方が説得力があると思いました。

■結果

『鏡夜が死の体験を共有している事を知る』という流れが、ここに入る事となりました。
※ちなみに、狂うことと記憶を失う事の因果関係が見いだせなかったので、その設定はなくなりました。(かわりに、『記憶を失ったフリをするアサギリ』というシーンになっています)

◆変更点その4

——-ケイ茶のプロットより抜粋(本編エピローグの部分)————
神からまだ死の体験が終わっていないと言われる少女。

しかし、少年は1つの事実に気付いてしまう。
それを少女に伝えるか、伝えないか。
★分岐
「伝える」「伝えない」

——————————————————————————————
ここでの大きな変更点は、「分岐の消滅」です。
この点は、シナリオを書いていくうちに、
「この2人だったらこれ以外の選択肢は存在しない」と感じた結果、自然に消滅した形となります。

このように、私はケイ茶のプロットから4つ大きな変更をしました。
他にも細かな部分でいくつかの変更(使命について神様からの言葉がなくなったりなど)をくわえたうえで、
現在の「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」になりました。

次回は、いよいよ配信が近づいてきた時の事です。
ボイスについて、イベントスチルの増加、イベント参加についての記事となります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です