物語から作る? キャラクターから作る?~2つの作り方、それぞれの利点と欠点~

物語から作る? キャラクターから作る?~2つの作り方、それぞれの利点と欠点~

作品(物語)の作り方としては大きく2つの方法があります。
それが「物語から作る方法」と「キャラクターから作る方法」です。

この2つの方法はどちらが良い、どちらが悪いという事はありません。
しかし、作り方としては違う部分も多く、それぞれに利点と欠点があります。
今回の記事では、2つの作り方の利点と欠点をまとめています。

それぞれの良い部分と悪い部分を知ることで、貴方にはどちらの方法が合っているのか、どちらの方法を採用するのか。
選択するための一つの目安になるはずです。

目次

  1. キャラクターが「何を成し遂げたいか」「何をするのか」それが物語
  2. 物語を決めてからキャラクターを作る事の利点と欠点
  3. キャラクターから作った場合の利点と欠点
  4. それぞれの利点と欠点を知ったうえで、貴方の選択は?

キャラクターが「何を成し遂げたいか」「何をするのか」それが物語

2つの方法の前に、私の考えを最初に書かせてもらいます。
まず私の場合は「キャラクターから物語を作る」方を重視しています。

それは「物語」とは、どんなキャラクターが何を成し遂げるのか? 物語中で何をするのか?
これが一番大切だと思っているからです。

なので「物語の流れを考えてから、その上にのせるキャラクターを作る」という方法は基本的に使っていません。
もちろん、最初に書いた通り、私が「キャラクターを重視」するからと言って、物語から作る方法を否定しているわけではありません。

ただし、得手不得手にもよると思いますが、物語から作る方が難しい事が多いと思っています。
そのため、持論としては、基本は「物語とはキャラクターのためにある」そして「物語の上にキャラクターをのせない方が良い」
とだけ先に書かせて頂きます。

その上で、次の項目から読んでみてください。

物語を決めてからキャラクターを作る事の利点と欠点

「物語」を決めてから⇒こんな世界で、あれが起こって、こんな驚きの展開があって、最後にはこうなる。
そう考えてから、その物語の上にどんなキャラクターを乗せようか、演じてもらおうか?と考える方法。

この方法の利点は、物語の構造から決めるため「どんでん返し」や「物語でのひっかけや、罠」を仕掛けやすいところです。
例えば探偵もので、最初にどんでん返し、トリックを決めてしまってから、そのトリックを実行するキャラクターを作ろう!
という考え方です。

あくまで、そのトリックやどんでん返しを実行するための役割としてキャラクターがいるのです。

逆に、欠点としては「物語の都合よくキャラクターが動かされてしまう危険性がある」というところです。
先ほどの探偵ものの場合、トリックやどんでん返しは最初に決まっているので、凄い良いものが出来たとしましょう。

しかし、犯人の動機に関しては「どうでもいい理由」だったり「衝動的」だったり「ありきたりな理由」になってしまうような場合です。
あとは、最初から途中でこうなって、最後にはこうなる!と物語の流れが決まってしまっているがために、物語という決まったレールの上をキャラクターが動かされているだけ、になってしまう場合もあります。

ようするに「どんでん返しや構造は凄かったけれど、キャラクターの行動理由や感情はよくわからなかった」こうなってしまう可能性があるのが、物語から作ってしまう方法なのです。
※もちろん、全部が全部そうではありませんが、先に物語をきっちり作った場合に起こりやすい欠点です。

キャラクターから作った場合の利点と欠点

次にキャラクターから作った場合。
「キャラクター」を決めてから⇒こんな性格で、こんな人生を送ってきたキャラクターがこんな行動をし始めた!
じゃあ、そのキャラは次に何をするの? 他の人に会ったらどうするの? とキャラクターの行動を主体に物語が進んでいく方法。

この方法の利点として「キャラクターの考え方や行動を重視している」ため、キャラクターの行動に納得がいって、キャラが生き生きと動くところです。
完全に「物語」から作る場合とは逆ですよね。

何が起こるのか、最後に何が起こるのかは最初にハッキリと決まっているわけではなく、キャラクターの考え方や行動を描くだけで物語が動くのです。

逆にこの場合の欠点は「トリックや、どんでん返し」から決めにくいという所です。
どんでん返しで、実はAはBを殺していた!にしたくても、AのキャラクターがBを殺すような性格ではない場合、これは成立しません。
(とんでもなく極端な例ですが・・・)

探偵もので、AというキャラクターがBを殺そうと思うだけの事件を起こし、その結果AがBを殺していた、という作り方です。
具体的に書いてみると、Aは人を殺すような性格ではないが、常日頃BがAに嫌がらせをしていたり、BがAの子供に暴行を加えたらどうでしょうか?
いくら人を殺すような性格ではないAとはいえ、長年の恨みがたまって、ある日Bを殺すような行動を取ってしまうかもしれません。

この場合は、キャラクタ-が決まったレールの上を動かされているのではなく、BというキャラクターとAというキャラクターの対立や、感情があったうえで、物語が展開しています。
こちらの方法では「キャラクターが考えないような複雑なトリックやどんでん返しは難しいが、キャラクターの行動理由や感情はわかる」となる可能性が高い方法なのです。

何となく、どちらの方法も利点と欠点がある、どちらが優れているとか、優れていないとかは断言できない。
そう思ってもらえるのではないでしょうか?
例題がわかりにくかったり、下手だったらごめんなさい・・・。

それぞれの利点と欠点を知ったうえで、貴方の選択は?

さて、この2つの方法がありますが、貴方はどちらを選択しますか?
最初に物語の構造から作りますか? それとも、キャラクターから作りますか?

いやいや、もう一つ方法があります!
大変と言えば大変ですが、両方を上手く取り入れるという方法です。

最初に物語の大きな構造を何となく決めます。
それと同時にキャラクターも何となく考えます。

そして、次に両方を調整していくのです。
これもキャラ重視か、展開重視かがあるので、結局はどちらかの方法に偏ってしまう可能性が高いのですが……。

キャラクターの感情に合わせて、ちょっと物語を変えてみよう、とか物語の展開に合わせて、キャラクターの性格を変えてみよう、とか。
あっちを修正したら、次はこっちを修正と、何度もキャラと物語を行ったり来たりする方法です。

これがバランスよく出来れば「どんでん返しもトリックも凄いし、キャラクターの感情や行動も、動かされていない」物語になるはずです。
なので、物語には実は3種類あるのでは?と個人的には思っています。

1「キャラクター重視」⇒キャラの感情や行動だけで展開する物語(次にこうなって、最後はこうなる!のような決まったレールには縛られていない)

2「物語構造重視」  ⇒キッチリと始まりと終わりや、どんでん返しや仕掛けなどが決まっている。キャラクターはその決められたルールの上で動いている。

3「バランス型」     ⇒1,2の中間。どちらかに偏らずに、それぞれの要素を入れている。

もちろん、ここでもどれが一番だとか、これが悪いなんて言うつもりはありません。

このトリックやどんでん返し凄いでしょ? と、物語構造で攻めたって良いのです。
どんでん返しとか、細かい部分なんて別にいいんだよ。そんなことより、こんなキャラクターが、こんな行動するよ!かわいいでしょ? とキャラクターで攻めても良いのです。
こんなキャラいいでしょ!あっ、でも最初からそんなキャラが、ああなって、こうなる事が決まっているよ! とキャラと物語のバランスを取っても良いのです。

貴方の好きな方法、やりやすい方法で作ってください。
私はもちろん、キャラクターを重視しつつ、物語構造とも相談しながら作っています。
なので、一応はキャラクターの行動から作る派なのですが、構造も考えている⇒バランス派?なのかな、と思っています。
(それが上手くいっているのか、判断するのは受け取り側なのですが、あくまでスタンスとしては・・・です)

 

 

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