企画編86「作中でキャラクターを殺すか、殺さないか~安直なキャラの退場は良くない?~」 第148回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第148回 企画編86「作中でキャラクターを殺すか、殺さないか~安直なキャラの退場は良くない?~」
執筆者:企画担当 ケイ茶


ブログ用

他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
物語中でキャラクターを殺すのか、殺さないのか。
これは結構、大きな問題だと思っています。

日常モノでスタートしたかと思えば、終盤でシリアス展開に突入しいきなりキャラが死にまくる作品。
かと思えば、戦争モノなのに主要キャラは全く死なない作品。

キャラクターは殺すべき?殺さないべき?

と、問いかけつつもこの答えは私には出せません。
ただ、確実に言えることとして「安易な理由でキャラクターは殺してはいけない」という事です。

この安易な理由としては・・・
・そのキャラクターが物語で邪魔になったから(動かしにくい、このキャラがいると次に進まない、作者がそのキャラを嫌いになった)
・感動シーンを作りたい⇒じゃあ、このキャラを殺しておこう⇒突然の死!
・物語の終盤だから、とりあえず殺しておこう。

・・・まあ、絶対にやってはいけない。
とまでは言えませんが、簡単な考えでやってしまうと「ああ、感動させたいからここで殺したんだろうな」等と思われてしまう可能性もあります。

とはいえ、ストーリーを作る上でキャラクター死によって、感情を揺さぶる事はよく使われる手法だと思いますし、効果は大きいと思うのです。
でも、突然死んでしまうのでは唐突感が大きいと思います。
同じ死であるとしても「死ぬべき理由」があると違ってくると思うのです。

例えば・・・
・恨みを買っていた
・病弱だった(描写は必須)
・何かを成し遂げるため(誰かを助けるために行動した結果など)

⇒ようするに「死亡フラグ」と言われる、読者に「こいつ、もしかしたらそろそろ死ぬんじゃ・・・?」と思わせる理由が必要なのです。

同じ終盤で死ぬにしても
突然、敵の攻撃が偶然その場にいた主人公に!
よりも
前日に「俺、この戦いが終わったら故郷の恋人と結婚するんだ」と言っていた主人公に突如襲いかかる悲劇!
の方が納得できると思いませんか?

後者はちょっとネタ過ぎるのですが・・・。
最終戦前の戦いでボロボロになった体で、そのまま最終戦に突入とか、明らかに無謀な状況なのに一人で突撃するとか。
それらしい理由をつけると死ぬ理由になるのかな?と思うわけです。

結局のところ、物語でキャラクターを殺すという事は「作者の意図」があるのは確実なわけです。
ですが、その「意図が見え見えであざとい」のと「意図はあるけれど、死ぬべき理由もつけられている」のでは全く違うと私は思っています。

ただし、どちらの場合も結局はキャラクターを殺すというのは意図的な事ではあります。
キャラクターを愛していたプレイヤーや読者に対して大きな衝撃を与える事も考えられます。
キャラクターが死ぬ事が好きな人、そして嫌いな人もいるでしょう。

こればかりは、決めるのは貴方自身。
作り手の考え方によります。

自分はキャラクターを殺してでも、何か訴えたい事があるんだ!
キャラクターが死ぬ事で、この物語がより面白くなるんだ!
それも一つの答えだと思います。

逆に、自分は絶対にキャラクターは殺さない!
キャラクターの死以外で感動させたい、感情を揺さぶる物語にしたい!
それも間違ってはいないのです。

何にしても「安直な理由」にはならないように注意しないといけない。
と私も思いながら、この問題とは向き合っていこうとは思っています。
(この辺りのさじ加減、感じ方も人それぞれなので一概に、これが正しい、これが間違っている・・・とは断言できないのが難しいところなのですが)

ただ、私の一つの目標と言いますか、いつかやりたい事としては「キャラクターが死なない物語」を作りたい、という事です。
と言うのもうちのタイトルは同人ゲームのときからもそうですが、基本的に誰かしらキャラクターが死んでいます。
設定がダークだったり、生死が根幹にあったりするので、そうなっている事が多いのですが・・・。

ちょっとキャラクターの死に頼ってしまっているのかもしれない。
と思う事もあります。
これが自分らしいとも言えますが、それでも、いつか「最初から最後までキャラクターは誰も死なない」だけど、感情を揺さぶる、泣けるような展開がある物語を作ってみたい。
作りたいとも思っています。

その時は「今度はキャラクターを殺しません!」宣言でもしてみるのも面白いかな?とか思ったり。

という事で脱線しましたが、皆さんもキャラクターを殺すのか、殺さないのか。
自分はどうするのか?どうしたいのか?
時々は、考えてみるのも良いかもしれませんよ?

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企画編86「作中でキャラクターを殺すか、殺さないか~安直なキャラの退場は良くない?~」 第148回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた” に対して1件のコメントがあります。

  1. 社会風潮 より:

    古い記事だけど一言。
    主要登場人物を殺すゲームやアニメは昔からある。
    ただ、今の時代は手当たり次第に風潮に乗って殺しを娯楽化してる作品が多い気がする。
    話の内容やゲーム本来の趣旨を無視してタブーを犯す。
    タブーを壊す事すら当たり前と言う風潮にも恐ろしさを感じる。
    本来ダメな事を当たり前にすると、それが日常の当たり前になる。
    この狂った風潮が、先の地下アイドルメッタ刺し事件の犯人や、周りの大衆の無関心さを生むひとつの要因にもなる。
    皆殺しをして「これぞ感動大作」と祭り騒ぎしてる現代人その物が人の良心を無くした残忍性を秘めた時代なんだと思う。
    味方は1人も死なないが、敵は全員死ぬのは変。
    確かにその通りだが、それを追求するにもやり方の問題を考えろと言いたい。
    美少女を殺すのは、そうすれば売れるから、と言う人権を無視した考え方。
    主人公も例外ではない。
    例えアニメやゲームでも、作者の価値観や理屈ではなく、プレイする側の価値観や重さを考えるべき。
    今時の世代人には、フィクションと現実の区別が付けれない欠落した人間が多いのに、やり過ぎな気はする。

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