企画編92「ありがちな展開の良さ、悪さ」 第154回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第154回 企画編92「ありがちな展開の良さ、悪さ」
執筆者:企画担当 ケイ茶


ブログ用

他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
突然ですが、貴方は「ありがちな展開」「お約束イベント」「決まった始まり方」は好きですか?
それとも、斬新だけどとっつきにくい展開、イベントの方が好きですか?

「ありがちな展開」・・・使い古された内容やイベントは安定・安心の設計ともいえます

主人公が寝坊して、幼馴染に起こされてから始まる学園ストーリー。
女の子との出会いは押し倒してから、着替えを覗いてから・・・というラブコメ。
冒険の始まりは空から降って来た少女との出会いから!・・・という冒険SFモノ。

このように、世の中には「ありがちな展開」から始まる物語がとても多いです。
特に上記の3例に関しては、その展開はどの作品のものですか?
と問いかけたところで、決まった答えはありません!

様々な媒体(アニメ、ライトノベル、ゲーム・・・)と様々な作品、年代においても定番中の定番というような展開です。
よくありがちな展開とか、テンプレ展開と言われているようなものですね。

しかし、ありがちな展開だけどこれだけ利用されているからにはきっと理由があります。
まず「一定の需要があると言う事」

朝、わざわざ自分を起こしに来てくれる幼馴染がいたらいいな~。という要望に対してのこたえなのです。
空から女の子が降ってきて、その子を助けるような冒険に行きたいな⇒こたえ
二人だけの秘密からスタートしたい、着替えを覗いた事により出あいたい⇒そのこたえ。

と、どれも需要はあるでしょう。
目新しさはないけれど、このような定番イベントを入れることによって受け取り側に安心感を与えているといえるのかもしれません。
この物語はだいたいこんな感じの物語です!
こういう雰囲気です!と。

受け取り側としても、ああ。あの作品と同じような感じの作品何だな~と安心して楽しむ事が出来ると思います。
自分の趣味に合うかどうかが最初の展開でなんとなくわかるようになっているからです。

ですが「またこの展開か・・・」⇒「どれもこれも、見過ぎて飽きた!」という欠点もあります

特に最初だけならまだしも、アニメで1話全体。
ライトノベルで最初の1冊。
ゲームでの冒頭数時間。

全部が全部「ありがちな展開」「どこかで見たような展開」だけしかなかったらどうでしょうか?
確かに、安心安定の設定かもしれませんが「目新しさ、その作品ならではのクセ・個性」これが無いと言われているようなものです!

一定の需要に答えているわけですし、皆が好きな展開が多い。
=そこそこ人気は得る事ができるでしょう。

しかし、そこで終わってしまいます。
強烈に残る何かを受け取り側に印象付けさせる事が出来ないと思うのです。

例えば、数年後に覚えているか?と言われたら、どの作品のシーンだったのか、どの作品のキャラクターだったのか?
分からなくなってしまうと思うのです。

その点、奇抜で斬新な設定の作品であればそうはいきません!
ああ、あんな衝撃的なシーンがあったな、とかあんな変なキャラがいたなぁ・・・と忘れたくても忘れない。
心に残ってしまうのです。
※それが良いか悪いかは別にして。

極論を言うと、超駄作であっても「忘れられないような展開、キャラクター」が入っていれば、逆に記憶には残ります。
あんなわけのわからない作品あったよね~、超駄作だったけれど!と話のネタになるわけです。

しかし、あの作品って無難だったよね~。
キャラクターも話も普通だったし!→何それ?そんなのあったっけ?
と、忘れられている事、他の作品に紛れてしまう事が起こりえます。

テンプレの安心感で掴み、その作品ならではのクセを入れる
もしくは
奇抜な設定で惹きつけ、テンプレも入れることで安心感を与える

このどちらかに属すると安心して楽しめる上に、記憶にも残り、その作品ならでは。
になるのだと個人的には思っています。

両極端に行くのではなく、テンプレはテンプレで構わない。でも、その分ちょっと冒険してみてもいいんじゃないでしょうか?
逆に、冒険し過ぎな作品の場合は、ちょっと休憩程度に安定のテンプレ展開を入れてみるのも良いのではないでしょうか?

 

私は、基本的に変な物語を作りたい!という思いが強いので、シナリオ担当が安心な展開を入れて上手く融合している所もあるのかな?
とも思いますけれどね・・・。

 

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