ノベルゲームの良し悪し編4「プレイヤー=主人公? ノベルゲームの感情移入度について」 第131回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第131回 ノベルゲームの良し悪し編4「プレイヤー=主人公? ノベルゲームの感情移入度について」
執筆者:企画担当 ケイ茶


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他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。


ケイ茶です。
今回は、プレイヤーの感情移入度について。

ノベルゲームはプレイヤーの感情移入度が高い媒体

だと思うんですよね。
プレイヤーと主人公の一体感や、物語に入る力がとても強いのです。
その理由を書いてみます。

◆1.プレイヤー=主人公

全部のノベルゲームがプレイヤー=主人公。
というわけではありませんが、プレイヤーが主人公というタイトルは多いと思うのです。
プレイヤーが選択肢を選ぶことを考えると、プレイヤーの気持ち=主人公の気持ちになるわけですから、このパターンが多いのも納得かと思います。

特に最初の段階でプレイヤーの名前を入力するタイプは更に、プレイヤー自らが主人公である事を表しているのかな。と思いますし。
また、完全にプレイヤー=主人公ではない場合もあります。
多いパターンとしては、主人公の個性を無くしてしまうと言う方法。

主人公はどこにでもいる感じの性格、無難な容姿にしておいて、多くのプレイヤーが主人公を自分だと思うようにする方法です。
そのため、美少女ゲーム系、恋愛ゲーム系の主人公は無個性とか言われますが、その理由はノベルゲームならではと言えます。

ただし!
あえて、主人公を特徴的なキャラクターにして、このゲームは主人公=プレイヤーじゃないんだよ。
というタイプのものもあります。
その場合は、プレイヤーは主人公として物語に入るのではなく、主人公を応援する、共感する立場で物語に入る事になるのです。
この場合は、次のような要素がある事により、プレイヤーの感情移入度が高くなります。

◆2.ただクリックするだけ。それでも、違うんです!

ノベルゲームって基本的にはマウスやボタンでクリック、ボタン操作をする事によってテキストが進んでいきますよね?
私みたいに基本的にオートモードでプレイする。という方もいるかもしれませんが、このボタンを押す。
プレイヤー自らが操作する。これってノベルゲームならではだと思いませんか?

プレイヤーがクリックする事によって、場所が移動したり、選択肢をクリックして展開が変わったり。
そもそも、クリックしてSEが流れたり、立ち絵が変わったり、イベントに突入したり。
それだけでも違うんです。

プレイヤーの操作が直接画面に反映され、それによって物語が進んでいく。
いかにも、そこに自分がいるかのような体験、自分が参加しているかのような感覚で操作が出来ると言う事。=プレイヤーの感情移入度が高くなる。
と思うんです。

特にホラーゲームの場合はこれが顕著に表れるんじゃないかと思うんです。
貴方がクリックした事により、突然目の前にドバーっと!何かが出現するとか。
選択肢によって、次の瞬間に殺されてバッドエンドとか。

ワンクリックの重さ、それによって何が起こるのかというドキドキ感。
これって凄く重要ですし、ノベルゲームとの相性抜群です。

◆3.やっぱりプレイ時間が長いっていうのは大きい

プレイ時間が長ければ長いほど、物語世界に入っている時間が長ければ長い程、その物語やキャラクターに愛着を持っていくと思いませんか?
もちろん、途中でつまらないと思った人は途中で脱落しているかもしれませんが・・・。

それでも、長く遊べば遊ぶほど、主人公の気持ちも理解できて、他のキャラクターにも時間をかけて慣れた分、愛着がわいてくると思うんですよ。
1時間一緒に遊んだ友達よりも、10年間一緒に遊んだ友達の方が、相手の事をわかるし、愛着を持てますよね?
それと同じ事です。

もちろん、他の媒体が悪いという事ではないのですが、映画だと長くても~3、4時間くらい。
アニメでも~13時間くらい(2クール作品の場合)、本は~3,4時間くらいでしょうか?

それに比べて、ノベルゲームは数十時間が当たり前。(大作の場合)
そして、長いタイトルは100時間を超えるものもあるわけです。

これだけ長い期間、同じ物語を楽しめる媒体って他にはなかなか無いです。
太刀打ちできるとしたら長期連載の漫画とか、連作映画、連作ドラマ、連作小説。この辺りでしょうか。

更に、ノベルゲームの場合は「一度に一気に楽しめる」というのも大きなポイント。
連作漫画や映画の場合は、次の話までに時間が開いてしまいます。

しかし、ノベルゲームの場合は基本的に完結した状態で発売されるため、数十時間というボリュームですが、一気に楽しむ事が出来ますから、途中で途切れないんですね。
(プレイヤーが意図的に中断した場合は除きます)

だから、前作から長い時間が開いてしまって、ストーリーを忘れたとか、キャラクターへの愛着が薄れてしまった。
という事にはなりにくいのです。
この点も、ノベルゲームが感情移入度が高くなりやすい理由の一つではないかと思います。

 

このようにノベルゲームはとてもプレイヤーの感情移入度が高く、物語媒体として優れているというのが私の考えです。

 

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