企画編52「もう、テンプレキャラとは言わせない~テンプレキャラからの脱却~」 第88回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第88回 企画編52「もう、テンプレキャラとは言わせない~テンプレキャラからの脱却~」
執筆者:企画担当 ケイ茶


ブログ用

他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
キャラクターを考えていて、ふと思う事はありませんか。
このキャラクター、特徴が足りないとか、あの(作品の)キャラクターに似ているなぁ。とか、どうも性格や見た目まで、ある属性のテンプレのままかもしれない・・・。
今日は、そんな時に、どうすればテンプレキャラから脱却できるのか?
どうすれば、テンプレと言われないキャラクターを作りだす事が出来るのか?

それについて、私の考えを書いてみようと思います!

もう、テンプレキャラとは言わせない!テンプレキャラの脱却方法!

1.とんでもない個性をつけてしまい、強烈なキャラクターを打ち出す。

誰もがあえてやらなかった「とんでもない設定」や「他の人が考えそうにないもの」をキャラクターにつけてしまうという作り方。
宣伝にもなりますが「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」のヒロインのアサギリの設定は「死ぬために生き続ける少女」という設定です。
「死ぬために、生きる」というのが目的であり、このキャラクターの個性になっています。

この設定はテンプレだとは言われない・・・と思っています。
もし、テンプレだと思う方がいましたら、ごめんなさい。大きく言いすぎました!

ただし、極端に言ってしまえば、テンプレと言われないくらいに「珍しい設定」「誰もがつけない設定」をキャラクターにつけてしまえば良いのです!
注意点としては、とんでもない設定のキャラクターを作って、テンプレでなくなったとしても、そのキャラクターが好かれるかどうか、良いキャラクターなのか。
これに関しては全くの別問題という事です!

とんでもない設定のキャラクターが良い。というわけではなく、とんでもない設定だけど共感を持ったり、愛着が持てるキャラクターである必要はあります。
ただ、万人受けはしないものの、とんでもない設定・・・例えば超変人キャラを作ったとして、好きな人は好きってキャラクターになる可能性も高いです。
逆に、超変人キャラは特定の人にはかなり嫌われてしまう可能性も高いので、主人公には向かないかと思いますが・・・。(あえて、それでやるのもアリ!)

このように、個性で勝負!今までに見た事がないようなキャラクターを作れば、テンプレから脱却できます。
って当たり前ですよね?

そんなに個性的なキャラクターがどんどん浮かんでこない!
全員個性的だったら物語の収拾がつかなくなる!
と怒られてしまいそうです。

ごもっともです。
そこで、2番目以降の方法も提案してみます!

2.テンプレ+外部要因で脱却させる。

テンプレからの脱却と言いつつも、テンプレで作ると言う方法です。
この場合は、キャラクターはある程度テンプレなのですが、外部要因でテンプレキャラから脱却させる方法です。

「美人で成績優秀な委員長キャラ」
どこにでもいそうな、テンプレヒロインですね。

これに外部要因をつけることによって、他の物語ではテンプレだけど、この物語ならではのキャラクターにしてしまう事だって出来ます。

「美人で成績優秀な委員長キャラ」さて、このテンプレキャラクターに+の外部要因を作ってみましょうか。

外部要因<1>エピソード

実はこの委員長。
美人で成績優秀だけど、実はそのようにふるまうために、毎日予習をしているとしたらどうでしょうか?
もちろん、予習というのは勉強もそうなんですが、寝る間を惜しんで次の日の自分の行動と言葉を決めているのです。
朝起きる時間やあいさつ、そして教室に入った時の第一声。そして、声をかける人間を想定、また声をかけられた際にはどのような言葉で返すのが一番良いのか。

全てを完璧にシミュレーションした上で毎日登校しているのです。
ただし、シミュレーションが外れた際には応用が利かないタイプで、声をかけられても前の人と同じように反応したり、その場でフリーズしてしまう可能性もあります。
場合によっては、脳の処理が追い付かずにその場で卒倒してしまうかもしれません!

どうでしょうか?
成績優秀で模範的な委員長。
でも、それは毎日のシミュレーションの結果なんだ。というエピソードを一つつけただけで、完全なテンプレからは脱却した気がしませんか?

外部要因<2>他のキャラクター

今度はこちらのパターン。
この委員長の設定は変えません!特別なエピソードも入れません!
しかし、例えば、この委員長の相方・・・そうですね、主人公に特徴があったらどうでしょうか?

この主人公は、委員長の幼馴染で子供のころから委員長の事が大好きなんです!
ただし、大好きなのは「委員長である幼馴染」であって、委員長じゃなければ好きじゃないんです。
(相当な委員長属性ですね!)

この主人公。
委員長を委員長にするべく、どんな行動もおこします。
クラスメイトを買収するかもしれませんし、委員長が立候補しやすいように、委員長にそれらしい事を吹き込むかもしれません。
そもそも、委員長が委員長でなくなってしまった場合は、ショック死してしまう可能性もあります。

そうですね。
委員長が委員長じゃなくなった時に、ショック死してしまう幼馴染。
こんな人が相方としていたらどうでしょうか?

外部キャラクターの個性が強いばかりに、このテンプレ委員長も引っ張られていく、この物語でしか存在しないキャラクターになっている気がしませんか?
いかに、自分が委員長になるのかを模索する委員長。
幼馴染の主人公を殺さないように頑張る委員長キャラになってくるんです!

テンプレから始まったのに、他のキャラクターに引っ張られて個性が出てきました!

外部要因<3>世界設定

お次はこれ。
テンプレなキャラクターばかりだけど、世界設定を変えてしまえというもの。

「美人で優秀な委員長」が学園モノであれば普通ですよね。
じゃあ「美人で優秀な委員長」がSF宇宙戦争ものの世界にいたらどうなるのか?

「ツンデレお嬢様」が農家に修行に行く事になったらどうなるのか?

工事現場のおっちゃんが、アイドルしか入れない秘密の場所に迷い込んでしまったらどうなるのか?
(アイドルになる事ができなければ死ぬ世界。=おっちゃんアイドルになるべく頑張る愛と勇気と華麗な物語・・・?)

この場合は、世界設定が強烈であればあるほど、いくらテンプレキャラだからといっても、テンプレの生活や行動ができなくなります。
とんでもない世界に入ったことにより、テンプレだったのに、テンプレじゃなくなっていきます。

だって、ツンデレお嬢様なのに、農家の修行で「優雅にコーヒータイム」なんてやってられないと思いませんか?
ツンデレお嬢様が牛に引きずられたり、馬に蹴られたり、コーヒーを飲もうとしたら牛乳しかなかったり!

テンプレ属性にとって、当たり前の事が当たり前にできない世界!
それによって、キャラクターが変化します。

3.別にテンプレだって悪くない!

今回はテンプレからの脱却。と広げてきて、最後にはこれ。
別にテンプレキャラだって悪くはないのです。

テンプレになるくらい、愛される要因であり、好きな人は好き。安定したキャラクター設定であるのも確かなのですから。

結局、キャラクターも物語においてバランスが重要なのかな。と思います。
10人中10人がテンプレだったらちょっと、飽きてしまうかもしれません。

では、10人中5人がテンプレ、5人がテンプレじゃない斬新なキャラ。だったらどうでしょうか?
安定枠の5人のテンプレキャラがいて、アクセントをつけるために5人の斬新なキャラもいる。

これくらいだと上手くバランスが取れるかもしれません。

と言う事で、物語にもよりますが、テンプレキャラクターである事をわかった上で入れるのもアリです。
そして、ある程度はテンプレキャラクターも必要だと思います。

ただし、全員が全員テンプレで、世界設定やエピソードまでテンプレになってしまうと、どこかでみた事があるキャラクターや物語、そして作品になってしまう可能性があります。
上手くテンプレとテンプレからの脱却。
これを配分するのが良いやり方じゃないかな?と私は思っています。(結論)

 

 

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