物語は<いつ>面白くなるのか~面白い物語の3パターン~

物語は<いつ>面白くなるのか~面白い物語の3パターン~

貴方は作品を読んでいて「いつ面白くなるんだろう」と思った事はありませんか?
逆に、貴方の作っている作品は「いつ面白く感じてもらう事が出来る」と思って書いているでしょうか。

私は最近、様々な作品を読んでいて「面白くなってきた」「これ、面白い」と感じるまでには3パターンあるんじゃないか、と思うようになってきました。
「物語はいつ面白くなるのか」の3パターンを理解し、貴方の作っている物語と照らし合わせてみると、自分の物語がどこで面白くなっているのか、読者はどこで面白いと思ってくれるのか。
それを判断するうえでの一つの目安になります。

目次

  1. 直球型
  2. じわじわ型
  3. 安定型
  4. 貴方の物語はどの型ですか?

 

直球型

まずは「直球型」と私が名付けたもの。
この型の場合は、物語の開始と同時に読者は「これ面白い」と思ってしまいます。

それはなぜか?
物語の開始と同時に「面白さの核心を提示する」からです。

物語に入って、この物語はどんな物語なの? どういった感情を揺さぶって、どんな面白さを私に提供してくれるんだろう?
と最初は思う事でしょう。
⇒だったら、それを最初に提示してしまおう。

という物語になります。

例えば、具体的に言ってしまえば
「この物語は普通とは違った能力を持った主人公が、大量の敵を一度になぎ払うのが面白いところ」なのであれば、それを最初に提示してしまうという事。
冒頭のシーンで主人公の能力を明らかにして、襲い来る大量の敵をなぎ払っていくという面白さを直球で描けば良い。

ここで、この設定や主人公像が好きな人なら「おお、これは面白い」といきなり物語の面白さに入りこむ事でしょう。
逆に、冒頭でこの物語はこんな面白さを提供できますよ、と提示しているわけですから自分には合わないという読者は最初で離れてしまう可能性も高いです。

この型を使えるのは、主に「インパクト的な面で直球で、伝えられる何かがある」場合かと思います。
主人公の特殊能力であったり、インパクトのあるキャラクターであったり、物語の目的であったり……。

この物語の面白さの中心はコレという事を冒頭で提示できる場合。
読者は最初から「おお、これ面白い」と物語に入り込んでくれるでしょう。

じわじわ型

直球じゃないけれど、読んで行く内に徐々に面白くなってくる物語ってありますよね?
むしろ、こっちの方が多いんじゃないかな、と思います。
それが「じわじわ型」

物語の進行に応じて、徐々に「最初は普通だった、最初は退屈だったけれど……何時の間にか面白くなってきたな」という型になります。
この型の場合は「なぜ、いつの間にか面白くなるのか」が2つに分類できると思っています。

(1)キャラクターに愛着を持ってから

読者が物語を楽しんで行く内に、キャラクターが好きになる(愛着を持つ)事で、何時の間にか面白くなってきた、と感じる事は多いと思います。
最初はただの幼馴染だと思っていたけれど、テンプレート的なキャラだと思っていたけれど、様々な日常や会話を通して、いつの間にか「このキャラクターが好き」になっている場合ですね。

この場合は、そのキャラクターに愛着を持った事により、物語そのものが面白いと感じているのです。

(2)切っ掛けとなる事件や事故が発生してから

こちらの場合は、物語の途中で何らかのキッカケとなる事件や事故が発生し、それによって徐々に面白くなっていく場合。
最初は日常描写が続き、あんまり面白くないなぁ……普通だなぁ……と思っていたところに、不穏な小さな事件が何回か発生していく⇒それによって、読者もアレ?徐々に続きがどうなるのか、あの事件の意味は何なのか? と気になっていき、何時の間にかに面白いと思っている事になります。

じわじわと小さな事件や事故の組み合わせによって、読者の心を惹きつけていく。
そして、いつの間にか読者が虜になってしまっている。

安定型

最後に紹介するのが「安定型」
これはあまり無いかもしれませんが、最初から最後まで(良い意味で)雰囲気が変わらない物語。

最初からほのぼの、最後までほのぼの(特にメリハリもなく)
最初からシリアス、で最後までずっとシリアスなまま終わる。

同じ雰囲気で流れるように進行して、気付いたら終わっていた。
このような物語の面白さ。

正直、この「安定型」に関しては私は上手く説明できないです。
あくまでイメージ的にこの安定型に当てはまる作品があると感じたので、書いてみました。

日常モノであれば最初から最後までほのぼの、と言えばまだわかるでしょう。
しかし、シリアスで最初から最後まで面白い。
これって、実はかなり難しいのではないかと思ってしまうんですよね。

上手く説明できないと書きましたが、シリアス型で最初から最後まで安定して、流れるように進行した物語。
これを今のところ唯一挙げるとすればニトロプラスさんの「Phantom」というノベルゲーム。

この作品に関しては、私は「一つの物語の完成形である」とさえ思っています。
最初からシリアスな雰囲気が一貫して最後まで貫かれている上に、流れるように物語が進行し、気付いた時には終わっていた。
個人的な主観が入りまくりで申し訳ないのですが、ここまで流れるように最後まで読んでしまった物語は他にはありません。

貴方の物語はどの型ですか?

さて、3つの型を紹介してみましたが、貴方の物語はどの型に当てはまりますか?
最初から面白さを提示して、冒頭から面白いと思わせるものなのか。

それとも、キャラクターや小さな事件や事故(伏線や会話)を通して、じわじわと面白いと思ってもらうのか。
私もあまり理解できていませんが、最初から最後まで一定のリズムでずっと面白さを持続させるのか。

この3つのパターンを知っていれば、自分の物語をどのパターンで読者に面白と思ってもらえるのか?
それを意識した上で物語の構成を考えたり、参考にする事が出来るのではないかと思います。

 

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